- 睡眠に効果的な栄養素と食材を知りたい
- 睡眠を阻害する物質と食材も知りたい
- 夜食が睡眠に与える悪影響が気になる
最近忙しくて家に帰るとすぐに寝ちゃって気付いたら朝なんだ・・・
それは大変忙しいですね。毎日食事はきちんととれていますか?
家に着いたら何もする気起きなくなるから夕ご飯は食べなかったり、ファストフードで済ませちゃったりしちゃうよ・・
寝る前の食事は睡眠の質に大きな影響を与えます。食事の内容、タイミングによって睡眠の内容も変わってくるのです。
そんなに重要なんだ!
寝る前にはどんなご飯をどんなタイミングで食べればいいの?
それでは一緒に食事と睡眠の関係について見ていきましょう。
- 睡眠の質を改善したい
- 食と睡眠の関係を知りたい
- 睡眠に良い食事をとりたい
まとめ
- 食事が睡眠に与える影響は大きい
- 睡眠に影響を及ぼす物質は様々ある
- 食事のタイミングも睡眠の質に関わっている
食べ物が睡眠にどんな影響を与えるのか?
私たちが睡眠をとるとき、体の中では様々な化学反応が起こっています。これらの化学反応に必要な物質や栄養素を食事から適切にとることによって睡眠の質の向上が期待できます。反対に、食事の内容やタイミングによって睡眠を助けるどころか阻害する要因になってしまいます。
睡眠に関して悩みがある際は、食生活も見直してみましょう。
よく眠れるための栄養素と食べ物
メラトニンって?
メラトニンは人間の体内で自然に生成されるホルモンの一種で、主に夜間に分泌されます。メラトニンは、体内時計を調整する役割を果たし睡眠のリズムを調整するのに一役買っています。
睡眠に関しては、メラトニンは睡眠の質や量に影響を与えることが知られています。特に、夜間にメラトニンが分泌されることにより眠気を引き起こすため、スムーズに入眠して夜間にはより深い眠りに入りやすくなるのです。
そんなメラトニンは食事でも摂取することができます。例えば、キャベツや白菜、ケールなどの葉物野菜、バナナ、トウモロコシはメラトニンを多く含む物質として知られています。
- 葉物野菜:キャベツ、白菜、ケール
- バナナ
- トウモロコシ
トリプトファンとは?
トリプトファンは、体内でメラトニンのもとになるセロトニンという物質の原料となる必須アミノ酸の1つです。セロトニンの合成にはトリプトファンが必要不可欠であり、セロトニンは昼間に多く分泌されます。このセロトニンは夜になる(起床から15時間前後)とメラトニンに変化するため、トリプトファンの不足は睡眠の質を下げることにつながってきます。
必須アミノ酸でもあるトリプトファンは体内で合成できないため食事からとらなくてはなりません。また、夜にメラトニンを合成するためには、朝にトリプトファンをとることをお勧めします。
トリプトファンは次のような食品に多く含まれています。
- 乳製品:チーズ、牛乳、ヨーグルト
- 肉類:レバー(鶏、牛、豚)
- 魚介類:カツオ、マグロ、アジ
- 豆類:大豆、豆腐、納豆
- 穀物:米、小麦、そば
ビタミンB6が助けてくれること
ビタミンB6はトリプトファンからセロトニンを合成するために必要な材料の一つ。そのため、ビタミンB6の不足はセロトニンやメラトニンの合成が妨げられるため、睡眠障害や不眠症のリスクが高くなります。しかし、過剰なビタミンB6の摂取は神経障害や皮膚症状を引き起こすことがあるため、摂り過ぎには注意が必要です。
ビタミンB6は、食品から摂取することができ、トリプトファンと同様にビタミンB6も朝に取るのがよいでしょう。ビタミンB6が豊富に含まれる食品としては以下のようなものがあげられます。
- 肉類:鶏肉や豚肉などのうち、脂肪分の少ないところ
- 魚類:マグロ、カツオ、サケ
- ピスタチオ
- バナナ
リラックスに効くGABA
GABAは、γ-アミノ酪酸(gamma-aminobutyric acid)というアミノ酸であり脳内で重要な役割を果たしている神経伝達物質の一種です。このGABAは興奮している神経を抑制して、副交感神経を刺激します。そのため、リラックス効果が期待できます。
GABAは体内で十分量生成できるようになっているのですが、過度なストレスにさらされると消耗してしまうため、食事からもある程度摂取するという方法もあります。また、うまみ成分として知られるグルタミン酸はGABAの原料となるため、GABAをとりたい方はグルタミン酸を含む食材をとることも有効です。以下はGABAをとる方法の例です。
- GABAが多く含まれる食品:発芽玄米、キムチ、納豆、チョコレートなど
- グルタミン酸が多く含まれる食品:チーズ、昆布、味噌、醤油など
- GABAのサプリメントやGABA入り製品
GABAの過剰な摂取は副作用を引き起こすことがあります。適切な量の摂取を心掛けましょう。
ぐっすり眠れるグリシン
グリシンはアミノ酸の一種であり睡眠のリズムを調整することが知られています。この物質によって深部体温が下がっていき、自然に深い睡眠へと誘導してくれます。
さらに、グリシンはストレスや不安を軽減する効果があります。ストレスや不安は睡眠障害の原因となることがありますが、グリシンがストレスを軽減することでより良い睡眠を促すことができます。
それに加えて、グリシンの就寝前の摂取がすっきりとした寝起きをもたらす効果もあります。そんなグリシンは体内でも生成できますが、次のような食品からとることも可能です。
- 魚介類:カジキマグロ、エビ、カニ
- 肉:牛スジ、鳥軟骨、豚足
また、グリシンのもととなるセリンを摂ることも効果的でしょう。セリンは以下のような食品に含まれています。
- 豆類:納豆、高野豆腐など
- 牛乳
- いくら
睡眠の妨げになりがちな成分と食材
カフェインの影響
カフェインは覚醒作用をもたらす物質で、摂取されると眠気を覚ますことができます。カフェインは摂取後30分ごろから血液中に吸収され、覚醒作用を発揮。摂取量や個人差によっても異なりますが、数時間程度も効果が持続するとされています。
カフェインは覚醒物質であるため、就寝前に大量摂取すると、眠りにくくなることがあります。この物質は脳内でアデノシンという物質と競合して、アデノシンの働きを邪魔してしまいます。アデノシンは睡眠を促進する物質の一つであるため、眠りにつきづらくなるだけでなく睡眠の質を下げてしまう可能性もあります。
カフェインは次のような食品に多く含まれています。
- コーヒー
- お茶:紅茶、緑茶、玉露
- エナジードリンク
- カカオ:チョコレート、ココア
お茶の中でも麦茶にはカフェインが含まれていないんだって!!
アルコールと睡眠
お酒を飲むと眠くなるという経験をした人も多いはず。それもそのはず、アルコールを摂取すると最初のうちは睡眠に入りやすくなるのですが、効果は最初だけでその後の睡眠の質は低下します。また、寝酒によりいびきをかきやすくもなり、ひどい場合は睡眠時無呼吸症候群を引き起こしたりもします。
その他にも、アルコールは尿を増やす作用があるため、トイレであったり、アルコールの分解に水が必要になってのどが渇いたりして夜中に起こされることもあります。
脂っこいものや甘いものの注意点
夜食のラーメン、たまらなくおいしいですよね。しかし、夜遅くに脂っこいものを食べると、消化に時間がかかり身体が活発になって眠りにくくなることが知られています。また、脂肪の摂り過ぎが肥満を引き起こすと、睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクが高まることが知られています。
糖質を多く含む食品にも注意が必要です。特に、砂糖や白パン、パスタなどに含まれる炭水化物は血糖値を急激に上昇させインスリンが多く分泌されます。すると、覚醒作用のあるホルモンが続けて分泌されるため、夜中に目覚めてしまう可能性があります。
- ファストフード:ハンバーガー、ラーメンなど
- デザート:スイーツ、お菓子
こういった食事は睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。
よく眠れるための理想の食事って?
今までに見てきた睡眠に影響を与えうる物質や食品について踏まえたうえで、睡眠の質を上げるための食事を考えていきましょう。まずはみなさんも以下のことから心がけてみるとよい眠りが期待できます。
- しっかりと朝食をとる
- 朝食でトリプトファンとビタミンB6をとる
- 夕食でメラトニンをとる
- 寝る前に高脂質、高糖質な食事、カフェインをとらない
- 寝酒はしない
朝ごはんをしっかり食べよう
良い睡眠には朝食からしっかりとりましょう。普段、朝ご飯をとる習慣のない人は、ヨーグルトやスムージーなどから始めてみるのもよいでしょう。ゆくゆくは、しっかりと朝食をとれるようにするとなおよいです。
朝ごはんで摂りたいトリプトファンとビタミンB6
トリプトファンとビタミンB6を朝摂っておくことで夜にメラトニンが分泌されやすくなります。朝食には牛乳やバナナなどが食べやすいでしょう。
夜ごはんでメラトニンを意識する
夕飯に関しては入眠を助ける物質であるメラトニンをとることも意識してみましょう。普段の祝辞に葉物野菜のサラダなどを追加するととれるでしょう。
寝る前に避けたい脂っこい食べ物、甘い食べ物、カフェイン
ファストフードや高度な加工食品、甘すぎるデザートは眠りの質を大きく落とすことになる可能性があるため避けたほうが良いです。もちろん、暴飲暴食もNGですよ。
実は、特に夕飯は内容だけでなくタイミングも重要です。食事をした直後に寝ると、消化器官が働き始めてしまい身体が起きてしまうため、寝付きが悪くなることがあります。一方で、空腹状態で寝ると眠りが浅くなり睡眠の質が低下する可能性も。適当な時間を置いてから寝るように心がけることが大切です。
それでも眠る前にどうしてもおなかが空いてしまいますか?それならば消化の良い炭水化物を含む食事を少量だけ取るのがよいでしょう。豚骨ラーメンやスイーツが食べたいそこのあなた、良い睡眠をとるためには言語道断です。
カフェインを含む食品や飲み物も寝る直前に飲むのはよくないでしょう。覚醒作用によって入眠しづらくなる恐れがあります。寝る4時間前までで済ませておくとよいでしょう。
コーヒーはカフェインを含みますが、その香りにリラックス効果があるといわれています。香るのをメインにした少量の摂取であればよい場合もあります。
お酒は控えめに
寝る前の飲酒は悪影響のほうが多いといえます。寝る前に飲む場合は、1ドリンク以下が望ましいとされています。また、何も飲まない方が、健康にとって最善だと言えます。