- 睡眠時間が短い
- まとまった睡眠時間がとれない時の対処法
- ショートスリーパーについて興味がある
ショートスリーパーって羨ましいなあ。どうやったらショートスリーパーになれるんだろう。
確かに短い睡眠時間で十分な人もいますが、それはなろうと思ってなれるものではなく、遺伝が大きく関わってきます。
え?そうなの??
はい。だから普通の人が睡眠時間を極端に短くするのは大変危険です。今回はそのあたりを深堀していきましょう。
- ショートスリーパーに憧れる
- まとまった睡眠時間がとれない
- 日中眠くなってしまう
- 本当にショートスリーパーの人は突然変異の遺伝子を持っている
- ショートスリーパーの真似は本当に危険
- 眠くなったら少し寝て、周期に合わせてしっかり寝よう
ショートスリーパーでも平気な人は本当にいるのか?
ショートスリーパーは睡眠時間が6時間未満の短眠者のことです。逆に9時間以上の長眠者をロングスリーパーと呼びます。ショートスリーパーは短眠の遺伝子を持った稀な存在であり、全体の1%しかいないと言われています。
2021年時点の日本人の平均睡眠時間は6時間43分です。
そのうち、日本人で自分がショートスリーパーと自認している人は23%。ただし、23%の人たちの睡眠時間は6時間15分であり、睡眠時間が本来のショートスリーパーと言われている人たちの2時間も長いことがわかっています。
つまり遺伝子的にショートスリーパーであり、短眠で健康に過ごす事ができる人はごく稀であることがわかります。
ショートスリーパー遺伝子は羨ましい?
2019年米国にてショートスリーパーの遺伝子変異が見つかったという報告が上がっています。
この突然変異遺伝子を持つ人は睡眠時間が4時間から6時間でも健康を害することはありません。つまり、短い睡眠時間で効率的に質の良い睡眠を取ることができる遺伝を持っています。
また、どんなに深い睡眠状態からでも一気に覚醒でき、アラームのスヌーズ機能がなくともすっきり起きることができます。ショートスリーパーの人は人々より楽観的で、エネルギッシュで、マルチタスクに向いている人が多く、時差ボケも少ないといいます。
羨ましいショートスリーパーの偉人達
有名なショートスリーパーといえばナポレオンやエジソンです。
ナポレオンの睡眠時間が3時間だったという話は有名です。 一説には「昼寝」の習慣があったため、夜の睡眠時間は3時間で足りたともいわれています。
また、エジソンも睡眠時間を4~5時間だったといわれています。彼は睡眠を時間の浪費と考えており「みんな寝すぎている。私は死んだあとたっぷり眠るつもりだ」という言葉を残しています。ただし、彼も昼寝を1・2回取っていました。
絶対NG!真似する危険性
人だけではなく動物にとって睡眠は生きていく上で必要不可欠です。ではなぜ人間は眠るのでしょうか。
十分な睡眠をとらないリスクをまとめると
- 脳の機能低下
- 疲労回復の阻害
- 生活習慣病など疾患のリスク
- ストレス増大
人間は睡眠中に、からだのメンテナンスを行っています。その中でも最も重要なのは脳のメンテナンスです。睡眠不足が続くと、脳の機能低下につながります。そこで、睡眠という形で脳の休息をとり、メンテナンスを行っています。もちろん疲労回復という意味でも睡眠は必要不可欠です。どんなに体力がある方でも、睡眠時間はきちんと確保する必要があります。
そのため、ショートスリーパーでない人が十分な睡眠を取らないと、肉体的・精神的に大きなリスクを引き起こします。
からだが必要としているだけの睡眠をとらずにいると糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病やうつ、認知症など、様々な病気のリスクになると考えられています。また、からだの消化器系や新陳代謝をエネルギーに変えてくれる機能に睡眠は必要不可欠です。睡眠不足は新陳代謝を鈍らせ体重増加につながります。
精神的には集中力・判断力・記憶力が低下し、ストレスの増大などを引き起こします。睡眠不足は目の前の課題に集中したり、物事を思い出したり新しい情報を覚えておいたりすることが難しくなります。また、睡眠不足により交感神経が優位になるとアドレナリンが分泌され、イライラしやすい状態にもなります。
ショートスリーパーは訓練などで身につくものではありません。睡眠は人間の機能において重要な役割を担っていることを忘れないようにしましょう。
短い時間で良い睡眠を取るにはコツは?
良い睡眠は心とからだの疲れを取るために欠かせないものです。
そもそも良い睡眠とはどういうことなのでしょうか。
それは、規則正しい睡眠リズムが保たれていることです。
毎日同じ時間に眠り、同じ時間に目が覚めるような規則正しい睡眠リズムが生まれるのは、睡眠欲求と体内時計に指示された覚醒力のバランスで形作られます。睡眠にはサイクルがあり、夢を見る「レム睡眠」と大脳を休める「ノンレム睡眠」が約90分周期で変動します。このサイクルを一晩で4〜5回繰り返しています。
ではこの周期を整えるために何をすればいいのでしょうか。それは
- 睡眠環境を整える(ノンレム睡眠に備える)
- 眠気がきたら寝てしまう(90-120分)
- 夜くらい時間に眠ろう(サーガディアンリズム)
まずは、睡眠環境を整えよう
この中で、最も深く眠っているのが1周期目の「ノンレム睡眠」です。この最初の90分間に深い眠りにつくことが良い睡眠を取るために重要です。そのため、睡眠の環境を整えることは深い眠りにつくための手助けになります。
寝具選びから、寝室の湿度温度、音も大切です。ですが1番有効なのは「光」です。人の体内時計の周期は24時間より長いです。その周期を早めるために朝の光を浴び、後ろにずれていく周期を早めています。では逆に夜に光を浴びてしまうと、体内時計を遅らせてしまいます。家の照明でも白っぽい昼白色の蛍光灯は体内時計を遅らせる作用があるので注意が必要です。
眠気がきたら寝よう(90-120分)
私たちは眠気をコントロールすることはできません。昼間でも眠くなるということは、脳が疲れている証拠です。そんな時は無理をせずに仮眠することが効率よく仕事ができると証明されています。社会心理学者ジェームス・マース氏が提唱したパワーナップ(Power Nap=積極的仮眠)という昼間の短時間仮眠法です。
これはNASAは科学的効果を実証しています。1995年頃からNASA Napsという睡眠研究を行っており、その実証実験では昼に26分間の仮眠で、認知能力が34%、注意力は54%も向上しています。人の睡眠リズムでは夜中の午前2〜4時頃、お昼の午後2〜4時頃に眠気のピークが訪れるように設定されています。
つまり、昼下がりに眠気が訪れるのは自然であり、そのまま仕事を続けても、効率や成果は落ちる一方です。昼間に一時的に睡眠をとることで眠気の解消・脳疲労の解消・集中力/記憶力/認知力の向上など脳機能が活性化されます。
ただし、30分以上の以上の仮眠は深い睡眠状態に入ってしまい、目覚めた時に倦怠感を覚えたり、夜の睡眠にも影響を及ぼし睡眠リズムの乱れに繋がる可能性もあるので注意が必要です。
サーカディアンリズムを意識して夜にしっかり眠ろう
サーカディアンリズムとは概日リズムのこと。生物時計とも呼ばれ、24時間周期のリズム信号を発振する機構。
地球は自転により24時間周期で昼夜変化に同調しているように、人間においても体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間周期のリズムを示しています。
また、メラトニンとセロトニンというホルモンが深く関わっています。
メラトニンは睡眠ホルモンと呼ばれ夜眠っている時に出ているホルモンです。光の影響を受けやすく日中は光の影響で抑制され、暗くなることで分泌量が増えていきます。メラトニンが不足することにより、寝つきが悪くなったり途中で起きてしまいます。
メラトニンは日中光を浴びることによって分泌量が増えていきます。セロトニンは精神のバランスを取る役割があり、セロトニンが不足すると心のバランスが崩れ、感情のコントロールが難しくなり、場合によってはうつ状態になることがあります。
サーカディアンリズムが乱れると、睡眠のリズムに障害が出ます。夜ふかし・徹夜を続けることで朝起きられなくなったり、早く就寝しすぎて夜中に目が覚めてしまい、不眠症や精神疾患、生活習慣病なども引き起こされます。
サーカディアンリズムをコントロールするには太陽光を浴びることです。太陽光を浴びることでリズムがリセットされます。
まとめ:ショートスリーパーは羨ましい?
今回はショートスリーパーについてと、短い時間でも睡眠をしっかりとるための対策についてふれていきました。
何度も言いますが、ショートスリーパーの真似は本当に危険です。まずはしっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。
それでもなかなか睡眠時間を確保できなければ、周期を意識して規則正しい生活習慣を心掛けるようにしてください。