アルファ波とは
アルファ波(α波)は、ヒトを含む動物の脳が発生する電気的信号(脳波)の一種であり、8~13Hzの周波数成分を指します。アルファ波は、安静な状態や閉眼時の脳波において特に顕著に現れ、基礎律動の主成分を形成します。この特徴的な脳波は、ヒトの脳波を初めて記録したハンス・ベルガーによって名付けられ、ベルガー波やベルガーリズムとも呼ばれています。
アルファ波の特徴
アルファ波は以下の特徴を持っています。
リラックスした状態で現れる: アルファ波は、主に落ち着いている状態やリラックスしている状態で観察されます。特に閉眼時や安静な状態において、アルファ波の割合が高まります。これは目視でも確認可能な特徴です。
脳波の変動に対応する: アルファ波の発生機序はまだ完全に解明されていませんが、脳や意識の状態によって変動することが経験的に知られています。そのため、アルファ波の振幅や出現パターンが脳の健康や意識障害、認知症、精神疾患、睡眠障害の診断補助や状態把握に用いられることがあります。
特定の脳領域での観察: 脳波観測において、アルファ波は主に後頭部を中心に観察されます。ただし、後頭葉以外の領域でもアルファ帯域の電気的振動が観測され、それぞれミュー律動、タウ律動、シグマ律動と呼ばれることがあります。これらの律動はさまざまな脳機能と関連づけられています。
刺激や運動に応じて変化する: アルファ波は、閉眼・安静な状態で増加し、開眼や視覚刺激、運動、精神活動、緊張、睡眠などの状態において減少する傾向があります。外部刺激や内部状態の変化に応じてアルファ波の振動パターンが変動するため、アルファ波はリラックス状態や意識の状態を反映する重要な脳波です。
アルファ波は、その特徴的な出現パターンによって脳の健康や機能に関する情報を提供し、リラックス状態や意識の変化を捉える重要な手段とされています。